| 第14回:食育・退任 〈亀井農相は食育にも力を入れた。コンビニエンスストアのない自給自足の世界に迷い込んだ小学5年生の男の子の体験を通じて、食と農の大切さを教える、小学生向けの小冊子「いただきますが言えた日」を作った〉 「いただきます」は、女子職員2人が中心に若手有志で作りました。物語りもイラストも手作りですが、非常によくできていると感心しましたね。私はかねがね、子どもの非行や無気力の原因は食生活にあると思っていました。食べ物は生命あるものであり、育てるのに時間がかかります。ところが、今の日本人は大人も含めて、食べ物がどう作られているのか分からない、料理も余りやらない家庭が増えています。子は親を見て育つのだから、家族が食卓を挟んで食事をする機会が少しでも増えれば、と思うわけです。 小泉総理も国会演説の中で食育を取り上げるなど、高い認識を持っています。自民党も食育基本法の制定を打ち出しました。残念ながら野党との調整がつかず、まだ成立していませんが、党に戻ったので、私なりに力を尽くそうと思っています。 〈小泉第2次改造内閣が9月27日発足。お別れ会見では、WTO農業交渉など懸案を乗り切ったことに安堵の表情を見せる一方、「まだまだ道半ば」と新農相に後を託した〉 まさにあっという間の1年半。WTO、FTA、そして基本計画のような農政転換から、米国BSE問題、鳥インフルエンザなど、次から次に懸案がありました。海外にもWTO関係で11回、都合59日間出かけた。こんなに外国に行った農相はいないんじゃないかな。 改造内閣に残るか残らないかは、小泉総理がお決めになることですから、お任せする以外にありません。私としては、基本計画や日米BSE協議など課題が残っていたので若干気になりましたが、島村新農相の下で、うまく取り組んでもらえると思います。 農水省は一時期、BSE問題でいろいろ批判されたけれども、それをばねに前向きに仕事ができるようになったと思っています。ただ、マスコミや経済界に対して、日本の農業や農政の真の姿を伝える力がまだまだ不足している。政策は作れば終わりではなく、実行されて初めて本当の政策。この政策は国民のためにこういう意味があると理解されないと、現場で実践されないわけで、その辺のPRにはもっと努力が必要です。 私は農相に就任して以来、あらゆる課題に対し逃げずに真正面から取り組むという自分の主義を貫いたつもりです。退任した今、肩の荷は下りましたが、今後も日本農業と、国民生活の安定のために努力するのが私の使命だと思っています。 |
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